はじめに
更年期に入ると、肩こりが悪化することがあります。これは単なる疲れや姿勢の問題ではなく、ホルモンバランスの変化が影響しています。更年期は、一般的に45歳~55歳頃に訪れ、女性ホルモンの減少が体にさまざまな影響を与えます。その一つとして、肩こりや筋肉の痛みが挙げられます。
この記事では、更年期と肩こりの関係を詳しく解説し、科学的根拠に基づいた改善方法を紹介します。
更年期で肩こりがひどくなる理由
エストロゲンの減少による血流の悪化
更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。エストロゲンには血管を拡張し、血流を促進する作用があるため、このホルモンが不足すると血流が滞りやすくなり、筋肉の硬直やコリが発生しやすくなります。
さらに、エストロゲンには抗炎症作用もあるため、減少することで筋肉や関節に炎症が起こりやすくなり、痛みを感じやすくなることが分かっています。
自律神経の乱れと筋緊張
更年期の大きな特徴の一つが、自律神経の乱れです。エストロゲンは自律神経の調節にも関与しているため、減少すると交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。その結果、筋肉の緊張が高まり、特に肩や首周辺に慢性的なこりが発生します。
交感神経が優位な状態が続くと、筋肉が過度に収縮し、血流が悪化することで肩こりが悪化するのです。
コラーゲン生成の減少と関節の硬化
エストロゲンは、コラーゲンの生成を促進する作用も持っています。コラーゲンは、関節や腱、筋肉の弾力性を保つために不可欠な成分ですが、更年期によりエストロゲンが減少すると、コラーゲンの生成が低下します。その結果、関節が硬くなり、動かしづらくなることで肩こりの原因となるのです。
特に、50歳を超えると五十肩(肩関節周囲炎)を発症するリスクが高まり、肩の可動域が狭くなり痛みが慢性化することもあります。
ストレスと睡眠不足
更年期には、ストレスや不眠が増えることも肩こりの悪化につながります。ストレスが増えると、交感神経が優位になり、筋肉が緊張しやすくなります。さらに、不眠や睡眠の質の低下によって体が十分に回復できず、慢性的な肩こりが続く原因となります。
また、更年期障害の症状の一つとして、**寝汗やホットフラッシュ(急な発汗やのぼせ)**があり、これによって睡眠が妨げられることも肩こりの要因の一つです。
筋力低下と姿勢の悪化
加齢とともに筋力が低下すると、正しい姿勢を維持することが難しくなります。特に肩周りや背中の筋肉が衰えることで、猫背になりやすくなり、肩こりを引き起こす要因となります。
また、更年期のホルモン変化によって骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まることで、骨格の変化が肩こりを悪化させる要因となることもあります。
更年期の肩こりを改善する方法
血流を促進する
✅ ストレッチを習慣化
- 肩甲骨を動かすストレッチを1日3回行う。
- 首・肩周りを回す軽い運動をする。
✅ ツボを押す(下記記事も参考にしてください)
✅ 温める習慣をつける
- ホットタオルや蒸しタオルで肩を温める。
- ぬるめのお風呂(40℃以下)に15分程度浸かる。
ホルモンバランスを整える
✅ 大豆イソフラボンを摂取する
- 納豆、豆乳、豆腐などの大豆製品を積極的に摂る。
✅ 自律神経を整える生活習慣を意識する
- 規則正しい睡眠を心がける(最低6時間)。
- 深呼吸やヨガ、瞑想を取り入れる。
筋力を維持する
✅ 軽い筋トレを取り入れる
- 壁に手をついた腕立て伏せ(10回×2セット)。
- 軽いダンベルを使った肩のエクササイズ(1kg以下)。
✅ ウォーキングやラジオ体操を習慣にする
- 1日30分程度のウォーキング。
- 朝のラジオ体操で全身を動かす。
ストレスを軽減する
✅ リラックスできる時間を作る
- 好きな音楽を聴く。
- ハーブティーを飲んでリラックス。
✅ 整体やマッサージを活用
- 定期的に整体に通う。
- 自宅でセルフマッサージを行う。
まとめ
更年期の肩こりは、ホルモンバランスの変化・自律神経の乱れ・ストレス・筋力低下が主な原因です。
✅ ストレッチ・温める習慣をつける。 ✅ 大豆イソフラボンでホルモンバランスを整える。 ✅ 筋トレやウォーキングで肩の負担を減らす。 ✅ ストレスを減らし、リラックスする時間を確保する。
日々の生活に取り入れることで、更年期の肩こりを軽減し、快適な日々を過ごしましょう!
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